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Hitachi

フレキシブルピン方式荷重等配機構

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フレキシブルピン構造

遊星歯車機構は複数の歯車が同時に噛み合うため加工誤差・組立誤差等によって各プラネットギアに荷重不均衡が生じます。この荷重不均衡は伝達効率の低下、耐久性の低下につながるため高い製作精度と荷重等配機構が必要となります。
当社の荷重等配機構は「フレキシブルピン方式」と言い、プラネットギア支持部材をフレキシブルな構造とし、荷重が掛かるとたわむ片持ち梁の原理を応用しています。

中央荷重を受けた場合のフレキシブルピン動作

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中央荷重時の断面図

荷重が歯面に均一に分布している場合、ピンの中央部に集中荷重がかかっている状態と同じで、ピンは二重片持ち梁としてたわみ、他のプラネットギアに対する平行度は損なわれません。
加工あるいは組立の誤差でフレキシブルピン間に相対位置誤差があった場合、ここに配置されたプラネットギアはその他のものよりもより多くの荷重を受けることになり、プラネットギアを支持しているフレキシブルピンはより大きくたわんで誤差を吸収し、荷重の分配を均一にする荷重等配機能を発揮します。

偏心荷重を受けた場合のフレキシブルピン動作

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偏心荷重時の断面図

歯面の左側端部に偏心荷重が加わった場合、フレキシブルピンは図のようにたわむため、歯面右側の受け持つ荷重が増加し、歯巾方向における荷重分布の偏りが緩和されます。
歯車の歯筋誤差、歯車箱の変形、ミスアライメント等の影響をも吸収・軽減することができます。