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Hitachi

株式会社日立ニコトランスミッション

トルクリミッタの原理

クラッチは設定したトルク伝達容量を越えた負荷が掛った場合に「滑る」という挙動を示し、「滑る」事により設定した容量以上のトルクを反負荷側に伝達することはありません。この挙動をトルクリミッタ機能として利用しています。

トルクリミッタによる商用停電対策の特徴

下図にトルクリミッタを組込んだGT(ガスタービン)発電設備の概略フローを示します。
トルクリミッタを利用した商用電源停電対策の大きな特徴は以下の通りです。

  • トルクリミッタは停電(瞬時電圧低下)時に発生する過大トルクに対し瞬時に「滑る」ことでGTへの過大なトルク伝達を防ぎ保護しますが、滑りの発生に伴いトルクリミッタクラッチ内部では発熱が生じます。事故状態を検出して発電機遮断器を切るまでの時間は、通常の保護システムである不足電圧継電器と汎用真空遮断器(3cycleVCB)の組合せでは約200ms程度かかります。この間、「滑り」状態が継続しトルクリミッタは発熱状態となります。トルクリミッタを発熱に十分耐え得る設計とすることで、発電機遮断器に安価な汎用真空遮断器(3cycleVCB)を採用するシステムを構築することが可能となります。
  • シアピン方式の場合、切断すればGTと発電機は縁が切れてトルクの伝達をしませんが、トルクリミッタの場合は「滑り」を生じトルクの伝達は保持されたままとなります。従って、事故状態を検出し発電機遮断器が開放され過大トルクが無くなると発電機側は自動的に再嵌合して、GTは運転を継続したまま、無負荷で待機又は発電機定格以内で構内負荷へ給電します。

画像
トルクリミッタを組込んだGT発電設備の概略