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Hitachi

当社は、東京ガス(株)殿、大阪ガス(株)殿、東邦ガス(株)殿と共同で、ガスタービン発電システムにおける商用停電対策への取り組みとして、シアピン方式に代わる機械保護装置を内蔵したトルクリミッタ内蔵型減速機を開発しました。

開発の背景

落雷等で停電(瞬停)を起こすと、ガスタービンには過大トルクがかかります。
この過大トルクからガスタービンを切り離して保護するために、一般的にシアピン方式が採用されています。
しかし、万一シアピンが破断すると、当初の目的は満たすものの復旧に時間がかかり、復旧するまでの間は系統からの電力や予備ボイラからの蒸気を補給することとなり、経済メリットが減少するだけでなく工場などでは操業に影響を及ぼすことになります。そこで、過大トルク発生時には所定のトルク以上を伝達せず、しかも過大トルクが無くなったら通常のトルク伝達を行うといった一連の動作を、全自動で行える機械保護システムが望まれていました。

トルクリミッタによる商用停電対策

トルクリミッタ内蔵型減速機は、以下の商用停電対策のフローに示すように、ガスタービンと発電機との間に装備されて、ガスタービンの回転速度を所定の回転速度に減速すると同時に、過大トルクがかかると油圧クラッチ式のトルクリミッタが瞬時に滑ってガスタービンを切り離し、保護します。
このトルクリミッタは完全に遮断されることがありませんので、過大トルクが消滅すると自動的に再嵌合し、ガスタービン発電設備は無負荷の待機状態となって運転を継続します。

商用停電対策の概念図
画像:商用停電対策の概念図

本システムの採用により、安価な3サイクル遮断器を使用した停電対策が可能になります。(上図は、概念図です。)